山下レディースクリニック
子宮外妊娠後の不妊治療と卵管の癒着について
2007年12月26日
私は31歳の主婦です。結婚して2年になりますが、子供に恵まれず、検査を受けたところ、乏精子症、精子無力症による不妊であると診断されました。検査の際、クラミジアに感染していることもわかり、夫婦共に抗生剤を服用しました。主人の症状ではタイミングでは難しいだろうということで、AIHを受け、運良く1度目で妊娠したのですが、7週目で子宮外妊娠であることがわかり、左の卵管を摘出しました。クラミジアが原因なのか、右の卵管も癒着があったらしく、先生には「手術の時に癒着部分を取って通りやすくしておきましたよ」と言われました。再来月からまたAIHを始められるそうなのですが、また子宮外妊娠になってしまうと今度は体外受精を受けなくてはいけないのではないかと、とても怖い思いでいっぱいです。どうにかして子宮外妊娠を防ぐ方法はないのでしょうか?
子宮外妊娠で左の卵管を摘出されたとのこと。本当に残念でしたね。
右卵管にも癒着があったそうですが、クラミジア感染症の影響である可能性は高いでしょう。卵管は、精子の通り道であるほか、受精卵を子宮まで送り届けるという役割も果たしています。つまり、単に管が通っていればいいというものではなく、卵管内の繊毛が正常に動いて受精卵を子宮内へと運ぶ機能が必要なのです。卵管内に炎症が起こると、この機能が損なわれてしまい、受精卵がうまく運べずに子宮外妊娠が起こりやすくなります。
自然妊娠の場合は、子宮外妊娠を防ぐ手だてはありません。体外受精の場合、胚移植の仕方やその位置に留意することはできますが、それでもやはり子宮外妊娠のリスクは卵管機能に問題がない方よりは高くなるでしょう。
とはいえ、確率の問題です。無事に妊娠される方もおられますので、あまり怖がらず、ただし妊娠反応が出た後は慎重に経過を観察してもらってください。
<ご注意>
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